▪️お餅らしい柔らかさとポッタリ感、硬い木でどう表現しよう・・・

木で、お餅を作る・・・
ふんわりと柔らかそうに、ぽったりとしている、
つきたてのお餅を丸くして、重力で下に落ちている感じ。
そんな雰囲気で作りたかった。
メープルでも作ってみたのですが、
ちょっとかたい感じもしたので、
やはり、ひのきの白っぽさがいいのかな、と
ひのき材を採用。
節がなく、木目が素直な部分が望ましい。
あとは、どんなサイズで、どこに重心をもってくるのか。
そんな、細かいディテールを色々と試しながら
試作を何度も作って検討しました。


実は、こんな試作中が一番楽しいのです😊
上のお餅と下のお餅の曲線のバランスは変えてます。
上のお餅は、ちょっと厚みを薄くして、
下のお餅は、厚みを出しています。
ボテっと感は、重心をやや下にもってくることで、
つきたてのお餅っぽさを表現しました。

▪️小さな橙(だいだい)の造形への工夫

鏡餅のてっぺんに飾る、『橙・だいだいの実』
これは、みかんじゃなくて、橙の実です。
この由来は、家が代々繁栄しますように!という願いを込めているそうです。
まさかのダジャレです(笑)
橙をどんな感じで木で作るのか・・・
オレンジ色っぽく、でもわざとらしくない感じに
なるように、『ケヤキ』を使ってみました。
けやきも木の繊維に並行に使う、つまり縦木として
削りますと木の小口が上に見えてきます。
そうすると、オイルで塗った時に濃い色になります。

そんな工夫をしつつ、試作を進めました。
葉っぱは、あった方がかわいいので、
緑色のバックスキンを葉っぱ型にカットして
糸で目立たないように括りつけてみました。

▪️削り、磨き、ひのきの香りが立つように、天然ワックスだけの仕上げ

塗装しないと、経年変化がきれいにならないので、
無塗装ではダメです。
でも、オイル仕上げにしますと、
ひのきがオレンジ色っぽくなりすぎるので、
お餅らしさに欠けてしまう。
なので、天然のワックスだけで仕上げることにしました。
そうすると、汚れはつきにくいですし、
経年変化もしっとりと変化していきます。
手触りもサラッとしていて
自然のままの質感を楽しんでいただきたくて。
★次回は、ひのきの鏡餅にかけた願いをお伝えいたします。